肩こりと四十肩・五十肩に関する豆知識

【 このページの監修者 】
このページは、厚生労働大臣免許の柔道整復師の宇治小倉あゆむ整骨院院長が、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、柔道整復理論などの知識を元に、当院の情報発信ポリシー(EBM:根拠に基づく医療)に則って作成しています。
肩こりと四十肩・五十肩の違い
肩こりと四十肩・五十肩は、肩周囲の痛みや運動制限を伴う一般的な症状です。このコラムを読むと、現在お悩みの痛みが、肩こりなのか四十肩・五十肩なのか違いをある程度判断できるようになります。
痛む場所について
かなり大雑把に説明すると。
①の場所に痛み・違和感を感じる
肩こりのことが多い
②の場所に痛み・違和感を感じる
四十肩・五十肩のことが多い(※腱板損傷の可能性もあり。)

結滞動作について
上記イラストのような動作「結滞動作」をした際に、肩や腕に痛みを感じたり、動作しづらい場合などは四十肩・五十肩の可能性が高くなります。
なお、似た症状として腱板損傷(肩の腱が傷ついた状態)があります。腱板損傷は四十肩・五十肩とは原因や治療方法が異なるため、自己判断が難しい場合は整形外科を受診されることをおすすめします。
肩こりについて
肩こりは肩や首の筋肉の緊張・姿勢不良により、その結果周囲の神経を圧迫して痛みを引き起こしている状態です。そのため、筋肉の緊張の緩和や姿勢不良の改善ができれば、症状を改善することができます。
肩こりの原因として、下記のような要因が考えられます。
肩こりの原因
- 筋肉の疲労や緊張: 家事や育児などで筋肉の疲労・緊張し、肩こりの原因となります。
- 血行不良: 血行が悪くなり酸素や栄養が十分に供給されず、結果筋肉が緊張し肩こりの原因となります。
- ストレス: 精神的なストレスは自律神経に影響を与え、筋肉の緊張を引き起こし肩こりの原因となります。
- 姿勢の悪さ: 猫背やストレートネックは肩や首の筋肉に負担をかけ、肩こりの原因となります。
四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)について
四十肩・五十肩は、肩の関節包や腱板などの軟部組織が炎症を起こし、肩の痛みや運動制限を引き起こす状態です。
正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれ、主に40~50歳に多発するため「四十肩・五十肩」とも呼ばれています。
肩こりとは異なり、肩関節周囲の組織の炎症が原因であるため、症状がおさまるまで時間がかかることが多い印象です。
四十肩・五十肩の原因としては、明確ではないですが下記のような要因が考えられます。
四十肩・五十肩の原因
- 加齢に伴う変化: 加齢に伴い肩周囲の組織が変性し、四十肩・五十肩の原因となります。
- 肩の使い過ぎ: 肩関節を酷使することで、肩周囲が炎症を起こし四十肩・五十肩の原因となります。
- その他の疾患: 糖尿病や甲状腺機能低下症などが四十肩・五十肩のリスクを高めることがあります。
また、四十肩・五十肩の症状は主に以下の3段階に分かれます。
①急性期: 強い痛みがあり、夜間の痛みで眠れない場合もあります。
②拘縮期: 痛みが徐々に和らぐ一方、肩の動きが著しく制限されます。
③回復期: 徐々に可動域が回復し、痛みも減少します。
四十肩・五十肩は症状が改善されるまで年単位でかかる場合も少なくありません。
【 各段階での対処のポイント 】
急性期は炎症が起きている状態のため、患部を冷やすことで痛みや炎症を抑えることが基本です。無理に動かすと症状が悪化する恐れがあるため、安静を心がけてください。
拘縮期は炎症が落ち着いてきた段階のため、温めることで血流を促進し、少しずつ肩を動かすリハビリを始めることが重要です。
回復期は積極的にストレッチや運動を取り入れ、可動域の回復を目指します。
冷やすべきか温めるべきかの判断基準については「身体に痛みがある時、冷やす?温める?」で、肩こり・四十肩五十肩に特化した冷やす・温めるの解説は「四十肩・五十肩、肩こりは冷やしたほうがいい?温めたほうがいい?」でそれぞれ詳しく説明しています。
肩こり、四十肩・五十肩の予防と対策
姿勢の改善: 巻肩やストレートネック、同じ姿勢を長時間とらないなど気をつけましょう。
適度な運動: 肩や首の筋肉をほぐすためのストレッチや軽い運動を取り入れましょう。
ストレス管理: 精神的なストレスも原因となりますので、ストレスはためないようにしましょう。
適切なケア: 肩に負担をかけすぎないように注意し、痛みや違和感を感じたら早めに専門家に相談することをおすすめします。
【 早めの受診をおすすめするケース 】
以下のような症状がある場合は、自己判断で放置せず、専門の医療機関を受診されることをお勧めします。
・腕が肩の高さまで上がらない場合
・夜間の痛みで眠れない日が続く場合
・2週間以上痛みや違和感が改善しない場合
・痛みとともにしびれがある場合
・転倒や外傷をきっかけに痛みが出た場合(腱板損傷の可能性)
肩こり、四十肩・五十肩の予防のため、下記動画を参考にエクササイズをすることをおすすめします。
よく頂く質問
肩こりと四十肩・五十肩の違いは何ですか?
肩こりは主に首や肩の筋肉の緊張・疲労が原因で起こり、筋肉をほぐすことで改善が期待できます。一方、四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)は肩関節周囲の組織に炎症が起こっている状態で、痛む場所や症状の経過が異なります。四十肩・五十肩は改善まで数ヶ月から年単位かかることもあります。
四十肩・五十肩は放置しても自然に治りますか?
四十肩・五十肩は自然に症状が軽減していくケースもありますが、適切なケアをしないまま放置すると、肩の可動域が制限されたまま固まってしまうことがあります。特に拘縮期に適切なリハビリを行わないと、回復後も肩が十分に動かせなくなる可能性がありますので、早めに専門家にご相談ください。
四十肩・五十肩の急性期は冷やすべきですか?温めるべきですか?
急性期は炎症が起きている状態のため、基本的には冷やすことが推奨されます。炎症が落ち着いた拘縮期以降は、温めることで血流を促進し、回復を助けることが効果的です。詳しくは「四十肩・五十肩、肩こりは冷やしたほうがいい?温めたほうがいい?」をご覧ください。
肩こりがひどいのですが、四十肩・五十肩に進行することはありますか?
肩こりと四十肩・五十肩は原因が異なるため、肩こりが直接四十肩・五十肩に進行するわけではありません。ただし、肩周囲の筋肉の緊張が続くと血行不良が生じ、肩関節周囲の組織に負担がかかりやすくなるため、間接的にリスクが高まる可能性はあります。日頃から適度なストレッチを心がけることが大切です。
四十肩・五十肩と腱板損傷はどう見分ければいいですか?
症状が似ているため自己判断は難しいのが実情です。一般的に、四十肩・五十肩は徐々に痛みが出て肩全体の動きが制限されるのに対し、腱板損傷は特定の動作で痛みが出やすい傾向があります。ただし正確な判断には専門的な検査が必要ですので、痛みが続く場合は整形外科を受診されることをおすすめします。
参考文献・エビデンス
当コラムで紹介した肩こり・四十肩・五十肩に関する情報は、以下の医学的根拠およびガイドラインに基づいています。当院が参照する情報源の詳細は「情報の根拠・参照元について」をご確認ください。
【1】肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)の概要
公益社団法人 日本整形外科学会 「症状・病気をしらべる:肩関節周囲炎(五十肩)」
肩関節周囲炎の定義、症状の3段階(急性期・拘縮期・回復期)、および治療方針について解説されています。
日本整形外科学会 公式サイトを確認する →
【2】肩こりのメカニズムと対処法
公益社団法人 日本整形外科学会 「症状・病気をしらべる:肩こり」
肩こりの原因(筋肉の疲労・血行不良・姿勢不良)と、予防のためのストレッチや生活改善について解説されています。
日本整形外科学会 公式サイトを確認する →
【3】柔道整復師の学術的背景
「柔道整復学・理論編(改訂第6版)」:公益社団法人全国柔道整復学校協会 監修
柔道整復師の国家試験カリキュラムにおける肩関節疾患の評価・鑑別(肩関節周囲炎と腱板損傷の鑑別を含む)に基づいています。
※当院では、最新の臨床知見に基づき、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適なアドバイスを行っております。当院の情報発信における方針・免責事項については「当院の情報発信ポリシーと専門的根拠について」をご覧ください。
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