テーピングやマッサージ、手術に頼らない外反母趾の改善方法
「足の親指の付け根が痛くて、好きな靴が履けない」 「親指が『くの字』に曲がってきて、形が変わってしまった」 「外反母趾が痛くて歩くのがつらい」外反母趾は、多くの方を悩ませる足のトラブルです。テーピングやマッサージなどの対症療法だけでは、なかなか改善しないことも少なくありません。しかし、外反母趾の原因を正しく理解し、適切な対策を行えば、痛みの軽減や進行の予防は十分に可能です。外反母趾の痛みに悩んでいる方、手術は避けたいとお考えの方、まずは原因から改善する方法を試してみませんか。
誰でもできる外反母趾対策
結論から言うと、「靴を見直し、歩く時足の指先を使えるようになること」が最も重要です。 このページを読んで、できることから始めてみてください。
外反母趾の正体とは?
外反母趾というと、親指の先が人差し指の方へ曲がる変形だと思われがちです。しかし、解剖学的に見ると、変形の本質はもっと根深い部分にあります。 根本原因は足の甲の骨が開いてしまうこと 足の甲には、指の付け根から足首に向かって伸びる長い骨があります。親指につながる骨を「第1中足骨」と呼びます。 外反母趾の方の足をレントゲンや触診で確認すると、実はこの第1中足骨が体の内側(反対側の足の方向)へ開いてしまっています。親指の先端が外側に曲がって見えるのは、実はこの骨が内側に開いた結果なのです。
なぜ骨が開いてしまうのか?「靴」と「体重」の関係
では、なぜ第1中足骨が開いてしまうのでしょうか。そこには「不適切な靴」と「体重のかかり方」が大きく関係しています。
ハイヒールなどが引き起こす2つのリスク
女性に外反母趾が多い最大の理由は、ハイヒールやパンプスなどの靴環境にあります。これには2つの物理的な要因があります。
(1)つま先の圧迫
先の細い靴は、つま先を強制的に三角形の狭いスペースに押し込みます。これにより、親指が「くの字」に曲げられた状態で固定されてしまいます。
(2)親指の付け根への過剰な体重
こちらの方がより深刻な問題です。ヒールが高い靴や不適切な歩き方では、体重がつま先側に移動します。特に親指の付け根、いわゆる母趾球(ぼしきゅう)と呼ばれる部分に過度な体重がかかった状態で歩き続けると、母趾球あたりを支点にねじるような蹴り出しになってしまいます。その結果、足の甲の骨が開き、外反母趾がさらに悪化する悪循環に陥ります。
今日からできる「痛み」への対策
「今の靴が痛い」「仕事でどうしてもパンプスを履かなければならない」という方のために、リスクを軽減する具体的な方法をお伝えします。
外反母趾対策の第一歩は、患部への物理的な刺激を軽減することです。どのような対策をするにしても、靴自体が外反母趾の原因となっていては改善は望めません。まずは靴を見直してみましょう。
下記に外反母趾の方におすすめの靴例を掲載しますので、参考にしてご自身に合った靴を探してみてください。
• アシックス AcureZ ※ 外反母趾の方のために設計された靴
• ミズノ ME-05 GTX
• HOKA クリフトン9
どうしても仕事でハイヒールを履く必要がある場合
(1) ヒールは「3cm以内」に
ヒール高が3cmを超えると、前足部(つま先側)にかかる圧力は急激に増大することが知られています。逆に言えば、3cm以内であれば足本来の機能もある程度保たれ、外反母趾のリスクや痛みを最小限に抑えることができます。
(2) 土踏まず部分がカーブしている靴を選ぶ
土踏まず部分がカーブしている靴は、靴の中で足が前方へ滑るのを防いでくれるため、前方への体重集中を軽減できます。
痛みを軽減する「靴紐の結び方」
「スニーカーや紐靴でも、親指の付け根が当たって痛い」という場合、靴紐の結び方を工夫するだけで痛みが大幅に軽減されることがあります。 外反母趾の痛みの多くは、靴の中で足が前後に滑り、患部が靴の内側と擦れることで発生します。これを防ぐために、以下の方法を試してください。
(1) ヒールロックで足首を固定
足首に近い部分の紐をしっかりと締め、かかとを靴の後方に固定します。
(2) 患部付近の紐は緩める
親指の付け根(痛い部分)の上の紐は、あえて緩めるか、飛ばして通すことで圧力を逃がします。 「かかとはしっかり固定し、つま先はゆとりを持たせる」このメリハリをつけるだけで、靴との摩擦が軽減され、歩行時の痛みが和らぎます。
根本改善のカギは歩行を改善すること。でも、意識しても無理・・・
靴の工夫で痛みを和らげることはできますが、変形を止め、改善へ導くためには歩き方を改善し「足の機能」を取り戻す必要があります。 一方、歩行を改善することが重要とわかっていても、なかなか意識しても元の歩行に戻ってしまいますよね。なかなか、ずっと意識するのは難しいと思います。
そこで重要になるのが「インソール」です。
なぜインソールが有効なのか?それは・・・
インソールを使用することで、無意識下での歩行の改善が可能となるから
ここで注意点が一つあります。 外反母趾治療において、インソール(足底挿板)は有効なツールの一つですが、単に柔らかいクッション性インソールでは十分ではありません。必要なのは「足の指先を使用して歩けるようにする」機能的インソールです。
前述の通り、外反母趾は母趾球(親指の付け根)に過剰な体重がかかることで悪化します。適切なインソールを使用すると、以下のような効果が期待できます。
• 横アーチのサポート: 足の甲の骨が内側に開くのを物理的に抑制します
• 適切な体重移動: 母趾球でなく、足先で蹴り出す正常な歩行パターンへと導きます
インソールによって足の骨格環境を整えることは、建物の基礎を補強するようなものです。基礎が整って初めて、正しい歩行が可能になります。
「親指の先端」を使う歩き方が重要
最後に、最も重要な「歩き方」についてです。 外反母趾の方の多くは、痛みをかばうあまり、親指の付け根(母趾球)付近でねじるようにして歩く「ペタペタ歩き」になっています。 外反母趾を改善するためには、「親指の先端で地面を蹴り出す」ことが重要です。 歩行の際、最後につま先が地面から離れる瞬間、親指の先端でしっかりと地面を押す動作ができると、足裏の筋肉が正しく使われ、アーチが持ち上がります。 逆に、親指の先端を使わずに母趾球に体重を残したまま足を前に運ぼうとすると、地面からの反力で親指はさらに外側へとねじられてしまいます。
改善のための1ステップ
「インソールで母趾球への過剰な荷重を改善し、足指先で蹴り出せるようにする。」 上記のようにインソールで歩き方を改善することにより、外反母趾の進行サイクルを断ち切り、改善へと向かわせることができます。
まとめ
外反母趾は単なる「指の変形」ではなく、「体重のかかり方」と「歩行パターンの問題」によって引き起こされる骨格のトラブルです。
原因:足の甲の骨が開くことと、靴による圧迫・体重集中
靴による対策
(1) ヒールは3cm以下
(2) 靴紐でかかとを固定し、前滑りを防ぐ
(3)外反母趾で痛みのある部分にゆとりのある靴を選ぶ
根本からの対策
インソールで親指の先端で蹴り出す歩き方へ矯正
痛みがあるからといって歩くことを諦める必要はありません。まずは足元の環境(靴・インソール)を見直し、正しい足の使い方を取り戻すことから始めましょう。それが、一生自分の足で歩き続けるための第一歩です。
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