ぎっくり腰の豆知識

【 このページの監修者 】
このページは京都府宇治市にある宇治小倉あゆむ整骨院院長(厚生労働大臣免許の柔道整復師)が、解剖学、生理学、運動学、病理学概論、一般臨床医学、外科学概論、整形外科学、柔道整復理論などの知識を元に作成しています。
ぎっくり腰体験談・ぎっくり腰ブログ
重症のぎっくり腰、痛くて動けない・・・どうしたらいいの?
結論から言うと「とにかく動ける範囲で動く、少しずつ動く量を増やして動きながら治す。」が答えです。当院のホームページでもなんどか触れていますが、骨折や椎間板ヘルニアなどの他要因のないぎっくり腰の場合は、「安静にしすぎる」のではなく「動いて」治すが基本となります。
でも、痛すぎて動けないし無理!と思われたんじゃないでしょうか?
いえいえ、痛くても動いてください!安静にしすぎると逆に長引く可能性もあります。
それでは、具体的にどのようにしたのか、当時のことを振り返りながらお伝えしますので、是非参考にしてみてください。
【重要】
下記で紹介している方法は、ぎっくり腰(急性腰痛)の緊急の対処方法となります。
【 目次 】
正確な日時までは覚えていませんが、2018年11月中旬朝5時頃だったと思います。早朝の散歩を終えて犬にご飯を食べさせ終えた時のことでした。何の気なしに、犬を抱きかかえた瞬間にやってきました人生初の「激痛」、噂のぎっくり腰(急性腰痛)。
仕事が仕事なだけに毎日ぎっくり腰の患者様を診させて頂いていましたが、教科書で学んでいたいたよりも、そして想像していた痛みよりも何倍もの痛みにびっくりしたことを覚えています。
このページでは、実際が私が体験した重症ぎっくり腰の体験とともに、「どのような対処をし回復したか」をお伝えします。
ネタバレではありませんが、ぎっくり腰になったその日、整骨院は休診にし、翌日は普通に診療できるまで回復しました。
それでは、ここから本編を開始します。
動けない!でもとにかく院には行かないと・・・
犬を抱きかかえた瞬間ぎっくり腰になり、本当に1mmも動けなくなりました。
まず大変だったのが「犬を床に降ろすこと」。1mmも動けないほど痛い訳ですが、降ろすために中腰になることなんでできません。どうしよう?とにかく犬を降ろしてあげないとしんどそうなので、思い切ってかがみ、犬を床に降ろしました。しかし降ろした体勢で激痛が走りしばらく動けません。
この時、今日は施術なんてできないだろうなと、思ってはいましたが、院を休診にするにしても、予約の入っている患者様への連絡をするため院には行かないといけません。
さあ、どうしよう・・・
1度座ったり、寝転んだりしたら立てる自信がありません。とにかく、立ったままで必要最低限の準備をして、院に向かうことにします。
いつもは自転車で片道30分かけ通勤をしていますが、自転車に乗れる自信がない。タクシー?いやいや、一回座ったら立てないだろうな。ということで、電車で向かうことに。
途中1度の乗り換えはありますが、ずっと立っていればなんとかなるだろうと・・・
電車で院に向かうことを決意し、自宅をでました。本当にゆっくり、周りからみたら明らかにおかしな歩き方でなんとか駅に向かいます。 自宅から最寄りの駅は、通常なら徒歩2~3分位ですが、この日は15分位はかけてたどり着いたでしょうか? なんとか無事に電車に乗り込み、もちろん座れないので壁にもたれ掛かったまま立っています。はじめはなんとかなりそうと思っていましたが、次第に足の裏、ふくらはぎが痛くなってきます。なんで?と一瞬とまどいましたが、不自然な姿勢とずっと立っていたからでしょう。徐々に立っているのもつらくなり、身体をモゾモゾと動かし、なんとか耐えしのぎ、無事院に到着しました。院に到着した時はとても安心したのを今でも覚えています。
無事、院に辿りついてからのこと
無事に院に辿り着いた後、まずは立ったまま予約して頂いている患者様へ「臨時休診する旨」を連絡をさせて頂きました。そのあと、院の前に臨時休診の張り紙を貼り終え、ここでやっと一息つけました。
患者様への連絡、張り紙を終えたあと、ホッとしてしまい。院の床に寝転んでしまいます。「これからどうしよう?これは動けるような痛さではない。もしかして、まさかここまでの痛みなんて・・・」と心の中で叫んでいました。これまでぎっくり腰の患者様には、「安静にし過ぎずに、痛くても動ける範囲で動いて下さい!」と今から考えると偉そうに言っていました・・・反省しないといけないですね。
いよいよ、ぎっくり腰への対処を開始
ホッとして、床に寝転びしばらくすると、明日のことが心配になりだします。明日までになんとか動けるようにならないと・・・ここでやっと「重い腰」ではなく、「痛い腰」をあげて、自身のぎっくり腰への対応をはじめました。
まずは、骨折がないかどうかをできる範囲で確認をします。
背骨(棘突起や椎体)の触診で異常な圧痛がないかの確認や叩打法と呼ばれる脊柱を叩く方法でひびくような痛みがないかの確認。足の感覚異常はないか、足に力が入るか、つま先立ちはできるか?など一通り確認し、骨折の可能性は低そうなので、できる範囲で動くことを決意しました。
この時は、つま先立ちするのもやっとで、一度座ったり寝転んだりするとしばらく動けなくなる状態でした。
実際に行ったこと
まずは、寝転んだ状態でアイシングをしました。アイシングをする目的は炎症を抑えることと、痛みを抑制するためです。
アイシングの方法はこちらのページを参考にしてみて下さい。
アイシングをして少し痛みが落ち着いたら、少しずつ身体を動かしていきます。
私の場合は、痛みがかなり強かったので、寝転んだ上で身体全体をを揺らすことから始めました。
揺らすだけでも全身の筋肉が緩みます。
30分~40分身体を揺すった後、再度アイシングの流れをひたすら繰り返しました。
アイシングをして炎症と痛みを押さえる(20分)→身体を動かす(40分)→アイシング(20分)→身体を動かす(40分)を繰り返します。
※肌の感覚がなくなるまでアイシング(最大20分)、肌の感覚が回復するまで身体を動かす(40分)を繰り返します。
この流れを3回程繰り返した結果、かなり身体を動かせるようになってきました。
初めの痛みがVAS100とするなら、VAS60~70位の痛みでしょうか?
| VAS (ビジュアル・アナログ・スケール ) |
0:全く痛みなし 100:今までで一番強い痛み ※今の痛みを0〜100の間のどのあたりになるのか評価する基準 |
|---|
まだまだ痛みはありますが当初の痛みに比べるとかなりましになり、この位の痛みなら少しは動ける自信が出てきて、このタイミングで一度院から自宅へ帰宅することにしました。
自宅へ帰る電車では、院に向かっている時に感じた「足の裏・ふくらはぎの痛み」は感じませんでした。これは、かなり良くなっている感覚がありました。
翌日の仕事に行くためにしたこと
院での、「アイシング→身体を動かす」という一連の流れで、ある程度痛みは緩和され、動けるようになりました。
ただ、当初に比べ少し動けるようになっただけで、まだまだ痛みを感じますし、仕事をできるような状態ではありません。
自宅に戻ってからは明日仕事ができるよう、痛みの緩和だけでなく損傷した組織の回復を期待し、さらなる行動を行います。
アイシングを行うと「血流量が減少し、炎症や痛みを抑制」、一方温めると「血流量が増え細胞の修復・再生、筋肉の緊張緩和が促進されます」。自宅に戻った今期待することは、痛みの抑制だけでなく、「細胞の修復と再生」です。
ただ、「細胞の修復と再生」のために痛みのある場所を温めると、炎症が強くなり痛みが増悪する可能性があるため温める代わりにアイシングを中止、身体を動かすことに集中します。まずは、痛みを感じながらも自宅周辺をウォーキング。歩きながらできる範囲で「腰を捻ったり、伸びをしたり」と身体を動かしていきます。
約90分ウォーキングした後帰宅、この時点でVAS50位でした。かなり痛みも良くなりましたので、「細胞の修復と再生」のために少しだけ温めるため入浴をすることにしました。
※みなさんは、このタイミングで温めることは、慎重に判断して下さい。
温めて痛みが増す場合は、すぐに入浴を辞めアイシングを再開すると決め、入浴しました。
入浴中は、痛みが増すどころか心地良い感じがありましたので、入浴は正解だったと思います。
入浴後は、さらに身体を動かすために、再度ウォーキングへ。この時のVASは40位、軽くであればジョギングも可能となっていました。約90分身体を動かした後に再度入浴、痛みもかなり改善してきましたので、早めに就寝しました。
ぎっくり腰の翌日
昨日の1mmも動けないぎっくり腰の翌日。朝目覚めた時の腰の痛みは、VAS70位でした。昨夜の就寝時はVAS40位でしたので、痛みは多少ぶり返していることになります。 就寝中は身体を動かすことがないため、どうしても筋肉も固くなり痛みがぶり返すことがほとんどです。しかし、幸いにも痛いながらも立ち上がれることはできるため、準備をして院へ向かいました。
痛いながらも動けるため通常通りの診療をすることを決め、電車を使い通勤しました。通勤時もなるべく身体を動かしたいので、少し前の駅で降車し約20分徒歩で通勤。無事院にたどりついた時には、VAS50程度の痛みに落ち着いていました。
院についてから、まずは開院の準備をすすめ少しでも良くなるよう院にある「フィジオアクティブHV ハイボルテージ電気刺激治療器」で痛む場所の炎症を押さえました。
この治療器の良いところは痛みの強い箇所を特定、その場所にピンポイントで電気をあてることにより即座に痛みを緩和できるところにあります。
※今回は1日でも早く治すためにハイボルテージを使いましたが、ハイボルテージを使用しなくても問題ありません。
ハイボルテージを治療を行った後のVASは約30。この位の痛みであれば、痛みはあるけど仕事はできそうです。なんとか、動けるようになったので、院を開け通常通り診療を行いました。
※腰部のコルセットを着けようかどうか迷いましたが、念のためこの日の仕事中だけコルセットをはめて仕事をしました。
ぎっくりその後
今回、突然1mmも動けない程のぎっくり腰になり1日だけ院を閉め、回復する過程をまとめさせて頂きました。ぎっくり腰になった翌日には院を再開しましが、その後も「安静にし過ぎずに動いて治す」を実践し、約10日程度で痛みはほとんどなくなり、何年もぎっくり腰は再発していません。最新の医学では、ぎっくり腰は「安静にしすぎるのではなく動いて治す」とされています。逆にぎっくり腰になった直後に「安静にしすぎ」てしまうと症状が長引くどころか、慢性腰痛になる確率も上がるそうです。
このページの中で案内した情報で、「骨折や他の疾患がないかどうか」「冷やす・温める」の判断は慎重に行って下さい。そして、少しでも不安があれば医療機関の受診をおすすめします。
このページの情報が、今現在ぎっくり腰になり悩まれている方のために少しでもお役にたてると嬉しいです。
よくある質問
また、今回のコラムをご覧頂きご来院頂いた患者様からよく頂く質問を下記に掲載させて頂きます。
あまりにも痛くて、動いた方がいいのかが判断できない場合はどうしたらいいですか?
動いて治すぎっくり腰は、骨折や他の疾患がないことが前提となります。最終的な判断は医療機関の受診が必要となりますが、ひとつの判断基準として「安静にしていると痛くない」「痺れや感覚障害がない」場合は、可能な限り動いていただいても問題ないかと思います。なお「20歳未満または55歳以上の方」「時間とともに痛みがひどくなる」「発熱など腰痛以外の症状がある」場合は、必ず医療機関を受診してください。
何度かぎっくり腰をしていて、早く治る場合と長引く場合があります。何が違うのでしょうか?
腰痛には大きく分けて(1)仙腸関節性腰痛(2)筋・筋膜性腰痛(3)椎間関節性腰痛(4)椎間板性腰痛の4つの原因があります。この中でも(2)筋・筋膜性腰痛の場合は比較的早く痛みが改善される傾向があります。痛みの場所が「右側」「左側」など左右はっきりしているケースが多いのが特徴です。
ぎっくり腰になったら冷やした方がいいですか?温めた方がいいですか?
発症直後の急性期は炎症が強いためアイシングが基本です。痛みが落ち着いてきたら温めることで細胞の修復・再生や筋肉の緊張緩和が促進されます。ただし温めて痛みが増す場合はすぐに中止しアイシングに戻してください。判断に迷う場合はお気軽にご相談ください。
ぎっくり腰は安静にした方がいいですか?
最新の医学では、骨折や他の疾患がない場合のぎっくり腰は「安静にしすぎるのではなく動いて治す」とされています。安静にしすぎると症状が長引くだけでなく慢性腰痛に移行するリスクも高まります。痛みがある状態でも痛みを誘発しない範囲で少しずつ動くことが早期回復の鍵です。
ぎっくり腰で整骨院に行くタイミングはいつがいいですか?
できるだけ早いタイミングでのご来院をおすすめします。適切な処置を早期に受けることで回復が格段に早まります。「痛くて動けない」という状態でもご家族の方に車でお連れいただいたり、まずはお電話でご相談いただくことが可能です。初回に骨や神経の問題がないかを確認した上で、安全に施術を進めます。
ぎっくり腰を繰り返さないためにはどうすればいいですか?
ぎっくり腰を繰り返す方の多くは、腰周囲の筋肉の慢性的な疲労と体幹の使い方に課題があるケースが多いです。急性期が回復した後に、腰に負担をかけにくい体の使い方・姿勢のクセの見直し・体幹トレーニングの指導を行っています。「またやるのが怖い」という方もぜひご相談ください。
下記のような症状がある場合は、早急に医療機関にご相談下さい。
- ・発症した年齢が20歳未満か55歳以上の腰痛
- ・時間や活動性に関係ない腰痛:安静にしていても痛い腰痛
- ・胸に痛みのある腰痛
- ・悪性腫瘍の病歴・長期間にわたるステロイド剤の使用歴・HIV感染の既往歴
- ・原因不明の体重減少を伴う腰痛
- ・広い範囲の神経症状を伴う腰痛
- ・身体の変形:背骨に変形がある腰痛
- ・発熱を伴う腰痛
- ・栄養不良
参考文献
このページで紹介している内容は、以下の論文・ガイドラインに基づいています。
【動いて治す・安静にしすぎない根拠】
※1 Malmivaara A, et al. "The treatment of acute low back pain — bed rest, exercises, or ordinary activity?"
New England Journal of Medicine. 1995;332(6):351-355.
急性腰痛に対して「通常の活動継続」が安静・運動療法より回復が早いことを示したランダム化比較試験。
NEJMで原文を確認する →
※2 Hagen KB, et al. "The Cochrane review of bed rest for acute low back pain and sciatica."
Spine. 2000;25(22):2932-2939.
コクランレビュー。急性腰痛に対するベッドレストは活動継続と比べて効果が劣ることを示した系統的レビュー。
PubMedで原文を確認する →
【慢性腰痛への移行リスクの根拠】
※3 Croft PR, et al. "Outcome of low back pain in general practice: a prospective study."
BMJ. 1998;316(7141):1356-1359.
急性腰痛が慢性化するリスク因子に関する研究。早期の不適切な対処が慢性化に関与することを示唆。
PubMedで原文を確認する →
※4 Koes BW, et al. "Diagnosis and treatment of low back pain."
BMJ. 2006;332(7555):1430-1434.
急性腰痛の診断・治療に関する総説。過度な安静が回復を遅らせる可能性を指摘。
PubMedで原文を確認する →
【冷やす・温めるの根拠】
※5 French SD, et al. "Superficial heat or cold for low back pain."
Cochrane Database of Systematic Reviews. 2006;(1):CD004750.
コクランレビュー。急性腰痛に対する温熱・冷却療法の効果を検討。急性期は冷却が、亜急性期以降は温熱が有用とする根拠のひとつ。
PubMedで原文を確認する →
【腰痛の分類の根拠】
※6 van Tulder M, et al. "European guidelines for the management of acute nonspecific low back pain in primary care."
European Spine Journal. 2006;15(Suppl 2):S169-S191.
腰痛の分類と治療指針に関する欧州ガイドライン。
PubMedで原文を確認する →
【レッドフラグの根拠】
※7 Deyo RA, Rainville J, Kent DL. "What can the history and physical examination tell us about low back pain?"
JAMA. 1992;268(6):760-765.
腰痛のレッドフラグ(危険信号)を定義した代表的論文。20歳未満・55歳以上・発熱・体重減少などの基準の根拠。
PubMedで原文を確認する →
※8 National Institute for Health and Care Excellence (NICE).
"Low back pain and sciatica in over 16s: assessment and management."
NICE Guideline NG59. 2016.
英国国立医療技術評価機構のガイドライン。レッドフラグの基準として広く参照されている。
NICEで原文を確認する →
宇治市でぎっくり腰になった方へ:早めの対応が回復を早めます
ぎっくり腰は「安静にして治る」より、適切な処置をした方が回復が格段に早くなります。「痛くて動けない」という状態でも、まずはお電話でご相談ください。
宇治小倉あゆむ整骨院は完全予約制のため、待ち時間なくすぐに施術を受けていただけます。
京都府宇治市小倉町蓮池173-13(近鉄小倉駅より徒歩9分・駐車場2台)
☎ 0774-79-3343|完全予約制・院長専任・回数券なし
| 住所 | 〒611-0042京都府宇治市小倉町蓮池173-13 宇治小倉あゆむ整骨院 |
|---|---|
| 施術時間 | 平日:9:00~19:00 土・ 日:9:00~18:00(実費施術のみ) 休診日:火曜日、金曜日、祝日 |
| 駐車場 | 車・バイク・自転車 : 院前に駐輪スペース有 |
| 最寄駅 | 近鉄小倉駅:徒歩9分 |


