脊柱管狭窄症といわれた坐骨神経痛の改善症例

近鉄小倉駅徒歩9分 宇治小倉あゆむ整骨院

症例紹介
◆最終更新日: 2026年03月30日 20:12:14

脊柱管狭窄症と言われた坐骨神経痛 56歳女性

脊柱管狭窄症と言われ「手術しないと治らない」とあきらめていた坐骨神経痛。2年間続いたお尻から太もも裏の痛みと痺れが、筋肉と神経の癒着へのアプローチで改善した56歳女性の記録。もしあなたがこのような状態であれば、この症例があなたのヒントになるかもしれません。

患者様詳細
お名前 N・S様
年齢・性別 56歳・女性
職業・生活スタイル 専業主婦。日常的に買い物・掃除・料理など家事全般を担い、以前は週に3~4回、近所をウォーキングするのを楽しみにしていた。
症状の部位 右側のお尻(臀部深部)から右太もも裏にかけての痛みと痺れ
症状の経過 約2年前から右のお尻に重さと鈍い痛みを感じ始め、その後太もも裏にかけて痛みと痺れが広がった。朝は比較的楽だが、夕方以降に症状が強くなる傾向がある。 整形外科を受診しレントゲンを撮ったところ「脊柱管が狭くなっている」として脊柱管狭窄症と診断。手術を勧められたが踏み切れず、様子を見ていたが症状が改善しないため当院へ来院。
来院時の状態 右臀部から右太もも裏にかけての痛みと痺れが日常的に続く。特に夕方から夜間にかけて症状が強まる。歩行・長時間の立位・家事中に症状が出やすい。痛みのレベル:7(症状が強い時間帯)
施術期間 週1〜2回の施術を約7回実施し、症状が大幅に改善。

来院前の状態

Sさんが最初に異変を感じたのは、約2年前のことでした。「最初は右のお尻のあたりが何となく重い、という感じだったんです。 日によって気になったり気にならなかったりで、疲れのせいかなと思っていました」 しかし数ヶ月が経つうちに症状は徐々に変化し、単なる「重さ」だったものが、はっきりとした「痛み」へと変わっていきました。さらにその後、太もも裏にかけて痺れも現れるようになりました。

特に気になったのは、時間帯によって症状の強さが大きく変わることでした。
「朝起きた時はそこまでひどくないんですが、 夕方になるにつれてお尻から太ももにかけてどんどん痛くなってくる。 夕飯の準備をしている頃がいちばんつらくて、 台所に立っているのがしんどい日が続きました」

日常生活にも支障が出始めました。
・台所に立ち続けると夕方には右のお尻から太もも裏にかけて痛みが強くなる
・買い物で歩いていると、右脚に痺れが出て荷物を持って歩くのが不安になった
・ウォーキングが怖くなり、2年前からほぼやめてしまった
・長い時間座って家族と食事をしていても、途中からお尻に痛みが出る
・「このまま動けなくなるんじゃないか」という不安が頭から離れない

心配した家族の勧めもあり、整形外科を受診しました。
レントゲンを撮ったところ、医師から 「脊柱管(背骨の中の神経が通る管)が狭くなっている。
脊柱管狭窄症です」 という診断を受けました。 「先生に『手術を考えても良いかもしれませんね』と言われて、頭が真っ白になりました。
まさか手術が必要なほど悪いとは思っていなかったので」 投薬と安静で様子を見ることになりましたが、 数ヶ月経っても症状は変わらず、それどころか慣れてしまって 「もうこの痛みと一生付き合っていくしかないのか」 という気持ちになっていたといいます。
手術への不安と、改善しない症状への諦め・・・
そのような状態で当院へのご来院となりました。

来院前に試してみたこと・うまくいかなかったこと

01 整形外科への通院・投薬

整形外科を受診し、レントゲン検査を受けました。脊柱管狭窄症と診断され、神経の痛みを抑える薬(神経障害性疼痛薬)と 痛み止めを処方されました。「薬を飲んでいるあいだは少し楽になるんですが、 やめると戻ってしまう。根本的に良くなっている感じがしなくて」 薬を継続しながら経過観察という方針になりましたが、症状が改善しないことから「手術を検討しましょう」という話が出るようになりました。

02 安静・生活動作の制限

「動くと悪化するかもしれない」という不安から、ウォーキングをやめ、なるべく体を動かさないようにしていました。しかし安静にしていても症状は変わらず、むしろ体が固まったような感覚が強くなったと話されていました。

03 腰サポーターの使用

腰部への負担を軽減しようと、市販の腰サポーターを使用しました。 装着中は多少安定した感じがありましたが、お尻から太もも裏の痛みや痺れ自体には効果を感じられなかったとのことでした。

「手術するしかないのかな、と思いながらも怖くて踏み切れなくて。でも、このまま何もしないのも不安で・・・何か別の方法があるなら試してみたいと思って来ました」

脊柱管狭窄症という診断を受けると、「骨の構造的な問題だから手術以外に方法はない」という思い込みにつながりやすくなります。 しかし、「脊柱管が狭くなっている」という画像上の所見があっても、お尻や太もも裏の痛みと痺れの原因が必ずしも腰の骨にあるとは限りません。原因を丁寧に評価することが改善への第一歩です。

来院のきっかけ・初回の印象

来院のきっかけ

「知人が同じようなお尻と足の痺れで整骨院に通ったら楽になったと聞いて、手術の前に診てもらおうと思ってきました。もし筋肉から来ているなら改善できるかもしれないと言われて、 少し期待と不安が半々でした」

初回来院時の印象

来院時、Sさんは右のお尻をかばうようにわずかに体を右に傾けながら歩かれていました。問診を行うと、症状の中心は「右のお尻の深いところ」で、 そこから右太もも裏にかけてじわじわと痛みと痺れが広がる感覚とのことでした。「夕方からひどくなる」という時間帯のパターンが気になりました。脊柱管狭窄症の典型的な症状は、歩くと脚が痺れて休まないと歩けなくなる「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる状態です。しかしSさんには、歩行中に休まないと歩けないという状況はなく、歩行よりも「立ち続ける家事」や「夕方以降の時間帯」に症状が強まるという特徴的なパターンがありました。 この違いが、来院時から「腰の骨以外に原因がある可能性」を 強く意識させるきっかけになりました。 まずは当院で丁寧に評価を行い、画像所見だけに頼らず「なぜ神経が刺激されているのか」を改めて一から確認することにしました。

原因の説明

まず知っておいてほしいこと。脊柱管狭窄症の「画像所見」と「症状の原因」は別の話

「脊柱管狭窄症と診断された」とお聞きすると、「背骨の構造が悪いのだから、手術か一生付き合うしかない」 と思われる方が多くいらっしゃいます。
しかし、知っておいていただきたい重要なことがあります。脊柱管(背骨の中の神経が通るトンネル)の狭窄は、加齢とともに多くの方に生じる変化のひとつです。
ある研究では、腰に症状のない健康な方でも、50代以降になるとレントゲンやMRIで脊柱管の狭窄や 椎間板の変性などの所見が確認される割合は非常に高く、「画像で異常が見つかること」自体は珍しいことではありません。つまり、「脊柱管が狭くなっている」という画像所見と、「今お尻や太ももが痛くて痺れている」という症状の原因が必ずしも一致しているとは言えないのです。大切なのは、「画像上に異常があるかどうか」だけでなく、「その異常が今の症状を直接引き起こしているのか」 「別に原因があるのではないか」を しっかりと評価することです。

検査・評価の結果

(1)間欠性跛行の確認
脊柱管狭窄症の代表的な症状に「間欠性跛行」があります。 歩いていると徐々に足が痺れや痛みで動かなくなり、 少し休んで前かがみになると楽になり、また歩けるようになる。この繰り返しが脊柱管狭窄症の典型的なパターンです。

Sさんの場合、歩行中に休まないと歩けないほどの悪化はなく、「歩くより長時間立っているほうがつらい」 「夕方に悪化するが、前かがみにしても症状がそれほど変わらない」 という状態でした。この点で、脊柱管狭窄症の典型的な症状パターンとは一致しませんでした。

(2)スランプテスト(神経の緊張・癒着の評価)
座った状態で首を前に倒しながら膝を伸ばし、足首を上に向けることで坐骨神経を引き伸ばすように刺激するテストです。神経が何らかの原因で動きにくくなっている場合、この動作でお尻から太もも裏にかけて症状が再現されます。Sさんの結果は「陽性」。 テスト中に右のお尻から太もも裏にかけて、 普段感じているものと同じ痛みと痺れが再現されました。

(3)SLRテスト(ラセーグテスト)
仰向けの状態で脚をまっすぐ上げ、坐骨神経への刺激(痛みや放散)が出るかを確認するテストです。Sさんの結果は「軽度陽性」。脚を上げた際に右のお尻から太もも裏にかけて痺れが誘発されました。

(4)触診
お尻の深部の筋肉(梨状筋・中殿筋)から、太もも裏の筋肉(ハムストリングス)にかけて触診を行いました。
・梨状筋(りじょうきん)に強い圧痛と硬結(筋肉の硬いしこり)が確認
・ハムストリングス(太もも裏の筋肉群)の近位部(お尻に近い部分)に 著明な圧痛と組織の硬さが確認

筋肉による坐骨神経の圧迫と神経の癒着と判断

以上の評価から、Sさんのお尻から太もも裏の痛みと痺れの主な原因は腰椎の脊柱管狭窄(骨の変化)ではなく、「筋肉による坐骨神経の圧迫」および「神経の癒着」であると判断しました。

「神経の癒着」とは何か?

坐骨神経は、腰から始まりお尻の深部・太もも裏・ふくらはぎへと体の中を長く走る太い神経です。健常な状態では、この神経は体を動かすたびに周囲の筋肉や筋膜(きんまく:筋肉を包む膜)の間をスムーズにスライドするように動きます。しかし、慢性的な炎症や繰り返す刺激・同じ姿勢の持続などによって、神経と周囲の組織の間に「癒着」と呼ばれる くっつき(固着)が生じることがあります。癒着した神経は自由に動くことができなくなり、体を動かすたびに引っ張られたり、圧迫されやすくなります。 これが痛みや痺れとして現れます。Sさんの場合、梨状筋やハムストリングスの中で坐骨神経が圧迫・癒着した状態になっており、これが「夕方にかけて症状が悪化する」という 時間帯のパターンにもつながっていました。日中の活動や姿勢の持続によって筋肉の緊張が蓄積されるにつれて 神経への圧迫が強まるため、夕方以降に症状がひどくなる という特徴的なパターンが生じていたと考えられます。

なぜ脊柱管に狭窄所見があったのか?

Sさんのレントゲン所見(脊柱管の狭窄)は、56歳という年齢では珍しいことではありません。 しかし、今回の痛みと痺れの主因は腰椎での神経圧迫ではなく、お尻・太もも周辺の筋肉による坐骨神経の圧迫と癒着であると判断しました。 脊柱管狭窄症の症状は、脊椎の変化そのものよりも、「筋肉の緊張・癒着」「姿勢」「日常の動作パターン」など手技的にアプローチできる部分に原因があるケースも多くあります。

施術の方針

【施術の方針】

Sさんへの施術は、以下の方針で進めました。
(1)坐骨神経の癒着の改善:神経モビリゼーション(神経の滑走性を回復する手技)
(2)梨状筋・ハムストリングスのリリース:手技施術による筋緊張の緩和と神経周囲の組織の柔軟性回復
(3)ハイボルト治療:深部の炎症・癒着へのアプローチ
(4)セルフケア指導:自宅でできる神経フロッシング(神経をほぐす運動)

011~2回目:神経モビリゼーション・梨状筋へのアプローチ開始
【施術内容】

・神経モビリゼーション→坐骨神経が癒着している部位に対して、神経が周囲の組織の間をスムーズに滑るように誘導する手技を実施。 神経の滑走性(スライドする動き)を少しずつ回復させていきます。
・梨状筋・中殿筋への徒手施術(筋膜リリース・圧痛点へのアプローチ)
・ハイボルト治療 → 深部の梨状筋・坐骨神経周囲への電気刺激で、 炎症の鎮静と筋スパズム(筋肉の過緊張)の緩和を図りました。

【変化】

2回目来院時、「お尻の奥の重さが少し軽くなった気がする」との報告。夕方の症状の強さがわずかに落ち着いてきたとのこと。太もも裏の痺れはまだ残っているが、症状が少し変化してきた印象。

02 3~4回目:ハムストリングスへのアプローチ追加・癒着の改善を継続
【施術内容】

・引き続き神経モビリゼーションと梨状筋リリース
・ハムストリングス(太もも裏)近位部の筋膜リリースを追加 → 太もも裏での坐骨神経への圧迫
・癒着に対してアプローチ ・自宅でできる神経フロッシングのやり方を指導 → 椅子に座った状態で、坐骨神経をゆっくり動かすエクササイズ。施術外の時間にも神経の滑走性を維持するために取り入れてもらいました。

【変化】

「夕方になっても前ほどひどくなくなってきた」との報告。台所に立っていてもお尻の痛みが出るまでの時間が長くなってきたとのこと。太もも裏の痺れの範囲も少し狭くなってきた印象がある、との感想。

03 5~7回目:症状の安定確認・再発予防へのアプローチ
【施術内容】

・神経モビリゼーションを継続し、神経の滑走性をより確実に回復
・中殿筋・腸腰筋のコンディション調整(骨盤の安定性を高める)
・日常動作の見直し:家事中の立ち方・荷物の持ち方などをアドバイス

【変化】

「お尻と太ももの痛みと痺れがほぼ気にならなくなりました」との報告。夕方の悪化もほとんど感じなくなり、近所のスーパーへの買い物歩きも不安なくできるようになったとのこと。7回目の来院時に日常生活への支障がほぼなくなったことを確認し、セルフケアの定着を確かめた上でひとまず終了となりました。

患者様の声

【Sさんからのご感想 ※施術経過中の聞き取りより】

「脊柱管狭窄症と言われたとき、「手術しないと治らないのか」と本当に落ち込みました。手術は怖いし、でもこの痛みと痺れもつらいし、どうしたらいいか わからないまま2年近く過ごしていました。こちらに来て先生にいろいろ検査してもらって、「脊柱管が狭いのは確かだけれど、今の症状の原因は腰の骨よりも筋肉と神経の癒着の可能性が高い」と言っていただいたとき、正直半信半疑でした。でも、丁寧に説明してもらって「なるほど」と思えてとにかくやってみようと思いました。施術を重ねていくうちに、夕方の痛みが少しずつ楽になってきて、台所に立っていてもあまり気にならなくなってきました。太ももの痺れも、気づいたらそんなに感じなくなっていて。今は近所の買い物も普通に歩けるようになりましたし、また少しずつウォーキングもしてみようかなと思っています。手術を考える前に来てみて良かったです。同じように診断されてあきらめかけている方がいたら、一度ちゃんと調べてもらうことをお勧めしたいです」

施術を終えて

Sさんのケースでまず大切にしたのは、「脊柱管狭窄症という診断に縛られず、症状の原因を一から評価すること」でした。脊柱管狭窄症は、背骨の中の神経が通るトンネル(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで腰痛・脚の痛みや痺れが生じる状態です。手術が必要になるケースも確かにありますが、すべての症状が腰の骨の変化によるものとは限りません。重要なポイントがあります。脊柱管の狭窄は加齢とともに多くの方に生じる変化であり、症状のない方でも50代以降では画像上に異常所見が確認されるケースは 非常に多いとされています。つまり、「画像で狭窄が見つかった」ことと 「今の症状が狭窄によって引き起こされている」ことは 必ずしも同じではないのです。Sさんのケースで注目したのは、いくつかの特徴でした。ひとつは症状のパターンです。脊柱管狭窄症の代表的な症状「間欠性跛行」(歩くと脚が痺れて休まないと歩けない)は Sさんには明確には見られませんでした。 また前かがみになっても症状があまり変化しないという点も、腰椎由来の典型的な反応とは異なりました。 もうひとつは「夕方に悪化する」という時間帯のパターンです。これは日中の活動や姿勢の持続によって筋肉の緊張が蓄積し、神経への圧迫が強まることで説明できる特徴です。触診とスランプテストによって、梨状筋・ハムストリングスでの圧痛・硬結と 坐骨神経の滑走性低下(神経の癒着)が確認されました。坐骨神経は腰から脚まで長く走る神経です。筋肉の中で神経が癒着すると、体を動かすたびに 神経が引っ張られたり圧迫されやすくなり、痛みや痺れが生じます。筋肉が原因で坐骨神経が圧迫・癒着しているケースでは、神経モビリゼーションや筋膜リリースによって神経の滑走性を回復させるアプローチが有効なことがあります。「脊柱管狭窄症と言われたから手術か、一生付き合うかしかない」 とあきらめる前に、症状の原因が本当に腰の骨にあるのかどうかを丁寧に評価することが重要だと考えています。同じ画像所見でも、アプローチできる原因が別にあるケースは 決して少なくありません。

よく頂く質問

整形外科で「脊柱管狭窄症」と診断されましたが、整骨院でも対応できますか?

はい、対応できるケースがあります。 脊柱管狭窄症と診断されていても、お尻や太もも裏の痛み・痺れの原因が筋肉による坐骨神経の圧迫や神経の癒着である場合、手技的なアプローチで症状が改善できる可能性があります。 まずは当院で丁寧に評価を行い、症状の原因が何かをお伝えした上で施術の方針を検討します。整形外科での診断内容や検査結果があれば、あわせてお聞かせください。

手術を勧められていますが、手術の前に来院しても意味がありますか?

はい、手術の前に状態を確認することには意味があると考えています。手術が必要なケースも確かにありますが、筋肉や神経の癒着が原因のケースでは手技的なアプローチで症状が改善できる可能性があります。当院での評価で「筋肉・神経の癒着が原因である可能性が高い」と判断できれば、手術以外のアプローチを試みる価値があります。逆に、評価の結果として手術の検討が必要だと判断した場合は、正直にお伝えして整形外科への受診をお勧めします。

「神経の癒着」とは何ですか?どのような施術をするのですか?

神経は本来、体を動かすたびに周囲の組織の間をスムーズに滑るように動きます。 慢性的な炎症や繰り返す刺激によって、この「滑る動き」が阻害された状態が神経の癒着です。 施術では「神経モビリゼーション」と呼ばれる手技を用います。神経の走行に沿ってその動きを引き出すことで、癒着を改善し神経の滑走性を回復させていきます。強い痛みを伴うような施術ではありません。

お尻から太もも裏の症状が2年以上続いていても改善できますか?

慢性化しているケースでも改善が期待できる場合はあります。症状が長期間続いていると、筋肉の硬さや神経の癒着が定着しやすくなっているため、改善に時間がかかることもあります。 一方で、適切なアプローチで症状が変化してくるケースも多くあります。まず一度、現在の状態を評価させてください。評価の結果をもとに、改善の見通しについてお伝えします。

参考文献

このページで紹介している内容は、以下の論文・ガイドラインに基づいています。

【①無症状者の腰椎MRIに脊柱管狭窄・椎間板変性が高率に見られる根拠】

※1 Brinjikji W, Luetmer PH, Comstock B, et al. "Systematic literature review of imaging features of spinal degeneration in asymptomatic populations." American Journal of Neuroradiology (AJNR). 2015;36(4):811-816.
無症状者の腰椎画像所見を系統的にレビューした研究。椎間板変性は50代で80%、椎間板膨隆は50代で60%の無症状者に認められ、脊柱管の狭窄所見も加齢とともに高率に出現することを報告。「画像上の異常所見は症状のない人にも非常に多く、正常な加齢変化の一部と考えるべき」と結論。
PMCで原文を確認する →

【②画像上の脊柱管狭窄と臨床症状が必ずしも一致しない根拠】

※2 Ishimoto Y, Yoshimura N, Muraki S, et al. "Associations between radiographic lumbar spinal stenosis and clinical symptoms in the general population: the Wakayama Spine Study." Osteoarthritis and Cartilage. 2013;21(6):783-788.
一般住民938名を対象とした横断研究。画像上で中等度以上の脊柱管狭窄を有する者は77.9%、高度狭窄は30.4%に認められたが、高度狭窄のうち実際に臨床症状を有していたのはわずか17.5%であったことを報告。画像所見と症状の不一致を示す重要な疫学研究。
原文を確認する →

【③梨状筋による坐骨神経の圧迫(梨状筋症候群)の根拠】

※3 Hicks BL, Lam JC, Varacallo M. "Piriformis Syndrome." StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2024.
梨状筋症候群に関する包括的レビュー。梨状筋の過緊張・炎症が坐骨神経を圧迫し、臀部から大腿後面にかけての坐骨神経痛様症状を引き起こすメカニズムを解説。腰椎椎間板に由来しない非椎間板性坐骨神経痛の原因として臨床的に重要であることを記載。
StatPearlsで原文を確認する →

【④坐骨神経周囲の癒着と深殿部症候群の根拠】

※4 Martin HD, Shears SA, Johnson JC, Smathers AM, Palmer IJ. "Deep gluteal syndrome: piriformis syndrome, ischiofemoral impingement and sciatic nerve release." Muscles, Ligaments and Tendons Journal. 2016;6(3):281-291.
深殿部における坐骨神経の絞扼について、梨状筋だけでなく周囲の筋肉・腱・瘢痕組織による神経の癒着や圧迫が原因となることを詳述したレビュー。慢性の炎症性変化によって坐骨神経と周囲組織の間に癒着が生じ、股関節の動きに伴って神経が絞扼されるメカニズムを解説。
PMCで原文を確認する →

【⑤神経モビリゼーションが坐骨神経痛・腰下肢痛に有効である根拠】

※5 Peacock M, Bland S, Gaudreault N, et al. "Neural mobilization in low back and radicular pain: a systematic review." Journal of Manual & Manipulative Therapy. 2023;31(1):4-12.
腰部および放散痛に対する神経モビリゼーションの有効性を評価したシステマティックレビュー。8件のRCTを対象に検討した結果、通常の保存療法に神経モビリゼーションを追加することで、疼痛・機能障害・日常生活動作の短期的改善が得られることを示した。
PMCで原文を確認する →

最後に

「手術しかないと言われた」「もう治らないとあきらめていた」そのような方に、まずお伝えしたいことがあります。 脊柱管に狭窄所見があっても、今の痛みや痺れの原因が腰の骨にあるとは限りません。 筋肉が坐骨神経を圧迫している、神経が周囲の組織と癒着しているそのような「手技的にアプローチできる原因」が隠れているケースは多くあります。 大切なのは、「画像所見があること」ではなく「今の症状が何によって引き起こされているか」を正確に評価すること。 当院では初回に丁寧な問診・検査を行い、症状の本当の原因を探ることから施術を始めます。 「手術の前に、一度ちゃんと診てもらいたい」そのようなお気持ちでのご来院を歓迎します。

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